イラストスタジオで作業していると、たまに「このコマンドを実行するのに十分な記憶域がありません」というエラーメッセージが出る事がありませんか? これはPCのメモリが足りているなら、イラストスタジオの使用可能なメモリ空間が2GBまでに制限されているのが原因です。

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しかしイラストスタジオの実行ファイルを改変することでその制限を取っ払う事ができます(ただし64bit版のWindowsを使っているか、あるいは32bit版なら/3GB起動スイッチを付ける必要があります)。保存
バイナリエディタで IllustStudio.exe を開き、アドレス0x116の値を 0x03 から 0x23 に書き換える。やることはそれだけです。

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ただしこれはイラストスタジオ v1.2.3の場合であって、今後バージョンアップされれば書き換えるアドレスや値が変わる可能性があります。v1.2.3以外を書き換えるならご自分で計算を行いましょう。

(追記:イラストスタジオがバージョンアップされて書き換えアドレスが変わりました。以下は読み飛ばして、記事の最後に追記したパッチをご使用になることをお勧めします)

まず書き換えるべきアドレスは、アドレス0x3Cから0x3Fまでの4byteを右から読んだ値に0x16を足すと分かります。今回の例では 00 01 00 00 となっているので、右から読むと 00 00 01 00 になりますよね。これに0x16を足すと0x116になります。

書き換えるアドレスが分かったら、そのアドレスのデータに0x20を論理和して上書き保存すれば作業完了です。元の値が0x03の場合、0x23に書き換えればいい訳ですね。ここまでの計算は全て16進数で行ってください。

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これで実行ファイルのLargeAddressAwareフラグが立って2GB制限がなくなります。/3GB起動スイッチを付けた32bitOSなら3GB、64bitOSなら4GBまでメモリが使えるようになるはずです。そこまでは未検証ですが。とりあえず2GB以上使えるようにはなりました。環境設定のメモリ割り当ては相変わらず2GBと表示されています。

ちなみにSAIは最初からこれが有効になっています。一方イラストスタジオではデフォルトで無効になっているということは、有効にすると何らかの不具合が起こるのかもしれません。ご使用は自己責任でお願いします。

追記:
LAAPatch
以上の操作を自動化するパッチを作成しました。.NET Framework 2.0/3.0/3.5のいずれかがインストールされたWindows環境で動作します。イラストスタジオ専用パッチという訳ではなく、コミックスタジオなど他のソフトにも汎用的に使用可能です。

LAAPatch v1.0 ダウンロード